シメオンの怒り
マリエルが自室に戻るとシメオンがおり、顔を合わせるや否やどこに行っていたのかと声を荒げます。
いつものお小言とは違い、本気のいら立ちから自分に向けて怒っているシメオンに、経緯を説明をしようにもそれすら叱責され次第に言葉が出なくなるマリエル。
何を言っても言い訳にしかならない。
言葉をなくしているとシメオンがマリエルが羽織っている男物の外套に気づきます。
ーリュタンと会っていたのかー
マリエルは慌てながら懸命に説明します。
リュタンとは実際に会い、彼から外套を借りたのだけどそれは本当に偶然で、ミシェルが気がかりで追っていた成り行きのものだった。
シメオンを裏切るようなことは決してないそれだけは伝わってほしかった。
だけどシメオンの表情は変わらず苦いもので、マリエルは納得してもらっていないと感じます。
マリエルの懺悔
もう何を言っても遅いのかもしれないけど…
そう思いながら、落ち着いたトーンでリュタンとどう過ごしたのかをシメオンに説明します。
ストーブにあたっていた間、話をしたこと
話しの内容
温まったらすぐ別れたこと。
泣いては卑怯だと涙を見せないよう努めるマリエルにシメオンが話し始めます。
うまく言葉にできないけど、マリエルの言葉は疑ってない。
自分は嫉妬していて、なにより大切に想ってるから心配している。
最悪、関係が終わってしまうかもしれないとも考えていたマリエルは驚きます。
それなら私もシメオン様が大好きです!と返すマリエルに、お互いの熱量が違い過ぎるとシメオンは断じます。そして次のように続けます。
マリエルの「好き」は、物語の人物に対する萌えと同じで自分をリアルな人間としては見てくれない。
一番大切なのは萌えで、誰とでもすぐに仲良くなってしまう。そんなマリエルの中で自分はその他大勢の中の一人だ。
はしたない気持
面を下げたまま自分のことを”その他大勢の中の一人”というシメオン。
マリエルはちょっと強引にシメオンに口づけして、シメオンにしかこんな”はしたない気持”は抱かない。と告白します。
ドキドキしながらしがみつく彼女に「下手ですね」といって深い口づけを返すシメオン。
深く口づけておいて、まだ18なのを忘れてたと笑います。
改めてシメオンへの気持ちを口にするマリエルに、もういいよいわんばかりに再び長めの口づけです。
途中力が抜けてしまうマリエル。
これまでの寒さや緊張が、シメオンの笑顔と体温で一気にほぐれたのかもしれません。
ベッドの中で
シメオンは力が入らなくなってしまったマリエルをベッドに寝かせます。
部屋は火をいれておらずベッドも冷たいままです。
マリエルが寝付くまで…と上着を脱いでいると
マリエル
「まって…そこまで…っ!ぜんぶ脱がないで…」
「脱ぎかけ…脱ぎかけの色気が…!」
引用元:「マリエル・クララックの婚約21巻」アラスカぱん/桃春花/まろ/一迅社/コミックZERO-SUM
あなたって人は!
マリエルのベッドに入るシメオン。
カイロになるから寝なさいというシメオンに、自分を隠したくないし隠されたくない。だから怒ってくれた方がいい。
その方がよりシメオンを知ることができるから。
そんなことを口にしながらストーンと寝てしまいます。
残されたシメオンの照れたようなバツの悪いような表情……。
夢の中でマリエルは幼いシメオンと萌えについて語ります。
ミシェルが危険な目に合うとはつゆ知らず、幸せな夢の中を楽しみました。