薬師であるコレットのもとには、毎日ひっきりなしに患者さんが押し寄せ大忙し。
仕事に忙殺され限界を感じたコレットが逃げ込んだ井戸の底は、なんと死後の世界(冥府)で…⁉
コレットが死ぬことにしたからこそ、出会いがあり広がった世界から始まる物語です。
コレットは死ぬことにしたタイトルの意味
ファンタジーな世界とキュンとする展開が楽しい「花とゆめ」らしからぬ一見物騒なタイトルですが、どうして死ぬことにしたのか、そこから恋愛にどう結びついていくのか、興味を引くタイトルではあります。
そのタイトルの意味はそのままの意味で、このお話しはコレットが「死ぬことにした」ことから始まるお話しなのです。あらすじを知るとよくわかるので、よかったら読んでみてくださいね。
物語のあらすじ
薬師であるコレットの元には毎日昼夜問わず、村人から「病人を診てくれ」と呼び出しがかかります。
人命救助には食事中だろうが就寝中だろうが関係なし。やれ急患だ、やれ往診だと、毎日目の回る日々です。
ハードな仕事に心身ともに疲弊したコレットは、「井戸の底には別世界が…。」という伝説を思い出し、心休まる場所を求めて井戸の中へダイブします。今で言えば過酷労働からのうつ状態です。
そうして飛び込んだ井戸の中で目を覚ますと、真の前には喋るガイコツが!
そこはなんと死後の国(冥府)だったのです。
驚きつつも、冥府なら病人がいない=仕事をしなくてよいと喜ぶコレットなのでした。
喜びも束の間、ガイコツに連れられてやってきたのは、冥王ハデスの御前に案内されます。
ハデスは長年の地下生活と、日々のオーバーワークによってある病を抱えているようでした。
薬師という医療関係の仕事の忙殺されたコレットなので、死後でまで仕事をしたくない!と言いつつも、目の前の患者を放っておけずハデスの治療に取り掛かります。
ハデスは自身が病に侵されながらも仕事に対する熱意を絶やすことはありませんでした。
現世で働くことに意義を見出せなくなって井戸に身を投げたコレットにすると、彼が頑張れる理由に興味を持つことになります。
治療の傍らハデスと接することで、彼が仕事に打ち込める理由、自分がかつて仕事をしている中で、確かに誰かの役に立っていたことを知り気づけたコレットは、再び地上に戻り薬師として働く決意を固めます。
だけど、ほっとくと無理をするハデスもほっとくことはできません。
コレットは、地上で薬師として働きつつ、冥府の専属薬師としてハデスの治療を続ける二つの世界の薬師となっていくのでした。
さいごに
コレットが身を投げた井戸の先は冥府(あの世)となり、その世界での王は閻魔様…でなくハデス様なので神話に名前を連ねる人物が出てくる物語です。
話しの多くはほっこりしたり泣けてきたりと、心をじんわり温かくしてくれる展開が多く、後半になるにつれハデス様とコレットの間にキュンとしたりも…。何事にも一生懸命に真っ直ぐに取り組むコレットは見ていて応援したくなりますし、それを静かに見守るハデスがまた素敵です。
最初はコレットのことを邪険に扱うガイコツたちも、時間がたつにつれその可愛くも騒がしい個性が出てきて、楽しくにぎやかな冥府の世界でのお話しです。