遠距離
逸臣が海外にいって、ひと月ほどが経過します。
その間、雪のもとには数日連絡が途切れても、その間過ごした海外の色んな場所の写真が届きます。
会いたい気持ちは募るけれど、今は自分にできることを頑張ろう!そう心に決めた雪はバイトの面接に行くことに。
面接
雪の面接にあたる女性はマスクをしていました。
慌てて文字を書き、筆談をお願いします。
別れ際には、「結果は追って電話します」と文字にして書いてくれたのだけど……。
電話はとれません。とあの場で伝えるのもどうかと答えに窮したまま帰路につく雪です。
何気にスマホを見ると、逸臣からメッセージが届いています。
いまどこ?
こんなことを聞いてくるってことは、もしや?!
再会
なんと彼は帰国していました。
突然の帰国に夢じゃないかと慌てる雪。
それだけ会いたい気持ちが募ってたんですね。
駅で待ち合わせ。
急いで向かう雪が降りた遮断機の向こうで目にした人影が、逸臣です。
普段あまり見せない笑顔!
どう見てもかなり嬉しそうです。
雪の方も顔を真っ赤にして、大きな身振りで手を振ります。
雪は逸臣の唇が”ぎゅーしていい?”って動いたのを見逃しませんでした。
電車が通り過ぎて
遮断機があがり、
2人が久しぶりに近づきます。
これから”ぎゅー”される雪は、往来からちょっと外れた場所を顔を真っ赤にして指さします。
移動した雪は真っ赤なまま目をつむって、両手を大きく開きます。
そんな雪に逸臣はキスします。
どうやら、「ぎゅー」と「ちゅー」を読み間違えたんですね。
ますます顔が真っ赤にゆでられた雪。初キスになったのでした。
バズーカみたいな衝撃
真っ赤になった雪の顔を覗き込む逸臣。
外国育ちの逸臣にとって『挨拶のキスかな』とも思えるくらい何でもない顔です。
雪にとってはまるでバズーカを撃ち込まれたような衝撃なのに!
お昼ご飯のため移動する最中、雪の目線は会いたくてたまらなかった逸臣を見つめます。
少し伸びた髪に、焼けた肌…
そしてさっきのキスを思い出して、何度でも顔が赤くなります。
初めての食事
とりあえずご飯にしようと和食屋さんへ。何気に二人きりでの食事が初めてです。
逸臣と雪はメニューの相談や、手話について”指文字”でこなしていきます。
コミュニケーションがかなりとれるから、慣れていくしかないなと独り言みたいにいう逸臣。
一緒に食事をとりながら、今まで海外にいた逸臣が目の前にいる幸せをかみしめながら過ごす雪なのでしたー。
逸臣の真剣な話し
食後は2人で公園へ…。
隣同士に座ると逸臣は雪の肩を抱きます。
それから話題は「大事な話し」に…
彼の親友は海外に一人。
それから日本に一人いて、その一人が雪も面識のあるテンション高めな心くん。
逸臣は彼に雪を一番に紹介したいというのです。
その気持ちは雪にとってもちろん嬉しい!だけどどうしても躊躇してしまいます。
聞こえないことを知ってもらうには、想像以上に勇気がいりそうです。
察した逸臣は無理をさせないように気づかいますが、その気遣いが雪を奮い立たせることに!
聞こえないことを知ってもらう。
逸臣の世界に入っていくということはこういうことなんです。
雪が怖さを拭えないと察した逸臣は、だめだと思ったら、強く握ってと雪の手をとります。
そうして向かった心君のお家ですが、出迎えてくれた彼は以前会ったときと雰囲気が全く違うのでした。