『幸せカナコの殺し屋生活』は、ごく普通のOLが殺し屋業に転職したことで巻き起こる騒動を描いた作品です。
うっかり面接に行った会社が殺し屋さんだった。
普通の発想や人生観を持ち合わせたまま、思わぬ才能を発揮したカナコさんのヒットマンコメディ。
幸せカナコの殺し屋生活のあらすじ
\ あらすじ /
ブラック企業を退職した西野カナコが偶然引き当てた再就職先は、なんと殺し屋業でした。
戸惑うカナコでしたが、労働条件がとんでもなくホワイトだったこと、最初の仕事を終えた後のお酒が美味しかったことから、簡単に就職を決意してしまうのでした。
こうしてカナコの殺し屋ライフが幕を開けます。
作品の特徴
この漫画最大の特徴は、カナコをはじめとする登場人物たちが、当たり前のように人を殺して行く世界観のシュールさです。殺し屋の仕事を描いた作品というと派手なアクションを連想しがちですが、この漫画の「殺し」は日常業務の一つに過ぎないので、カナコたちは当たり前のように殺します。
後悔も、罪悪感もほとんど感じていない様子で、ポンポンと殺します。
その流れが実に痛快で、殺人を扱ったギャグコメディというある意味、不謹慎な題材であるにも関わらず、笑いがこみ上げてくるのです。
主人公、カナコの不思議な魅力
主人公、カナコは殺し屋業に転職して間もなく、殺しの才能を開花させます。
天才と呼ばれる彼女ですが、特別なテクニックを駆使したり、人格が変化するわけではなく、一般人的な感性を持ったまま、淡々と仕事を片づけて行きます。
どこまでも普通の感覚を持ち続けるカナコに共感しやすいため、彼女の華麗なる仕事ぶりは強烈な印象を残します。
読んでいるうちに倫理観が揺さぶられるギャグ漫画
この作品はギャグ漫画です。それなのに人がどんどん殺されて行き、読者である私たちは、それを見ながらゲラゲラ笑っています。
ふと我に還ると、恐ろしく残酷な愉しみ方をしているのだと気付かされるのですが、そもそも残酷ってどういうことだろう、面白いってどういうことなんだろうという疑問も芽生えてきます。
笑わせてくれると同時に、人間の心についても真剣に考えさせてくれる異色のギャグ漫画です。
イヤな奴がすぐに消えるスピーディーな展開
この作品に大勢登場する悪人たち。
犯罪者というよりは、パワハラやモラハラの常習犯という日常によく見かける感じの悪人なので、正直殺すしかない、というレベルではないような気もします。が、主にカナコの手によってあっという間に始末されます。
基本的にこの漫画は四コマ漫画ですので、イヤな奴が出てきたと思っても四コマ目には殺されてしまいます。
一瞬です。
悪人登場(イライラ)→報いを受ける
このスパンが短いため、ストレスなく楽しめます。
さいごに
ギャグ漫画という意味でも、殺し屋を題材にしたコミックと言う意味でも、他に類を見ない作品です。
読めばスカッとする。
ギャグも面白い。
同時に、普通の仕事をするように毎日殺しを重ねるカナコの楽しそうな姿に、笑ってはいけない的な面白さを感じるユニークな漫画です。